事業継続計画(BCP)や事業継続力強化計画についてなんとなく知っているものの、両者の違いやメリットについてわからないという方はたくさんいます。こちらのページでは、BCPや事業継続力強化計画の違いやメリットなどについてご紹介します。
BCPは、「Business Continuity Plan」の略称で事業継続計画を指します。巨大な台風や地震、豪雨といった災害、テロやシステム障害、不祥事などが起こった際など、企業にとって危機的な状況に陥った場合でも業務が継続できる方法をまとめた計画書を指します。
特に大規模な自然災害などが発生した場合には、平常時と同じように業務を進めていくことができなくなるため、企業にとっては大きな痛手となります。
そこで、突然起こる危機的な状況に備えて、予め事業継続計画(BCP)を作ることで「基本方針」や「運用体制」を確立しておき、突発的な事態に備えておくことが大切です。
大規模な自然災害など、緊急事態は突然やってきます。そんなタイミングで倒産の危機や業務縮小の危機に対して、「緊急時にどんな行動を取るか」を予めまとめておくことで、早期の復旧が見込めます。
事業継続計画(BCP)は、突発的に起こるリスクに対して準備することなので、緊急時に役立つのはもちろんのこと、「緊急時に備えている企業」ということで、顧客や関係者、株主に対しても信頼してもらえる点から見ても、事業継続計画(BCP)は、企業にとって非常に重要なものと言えるでしょう。
事業継続計画(BCP)と防災の違いについて、4つの項目で紹介します。
事業継続計画(BCP)は事業継続を目的とするため、自社だけでなく取引先や地域金融機関などと協力して対策を行うことがあります。また、BCPは万が一のことが起きてから行う対策です。 一方、防災については自社のみを対象とするのが一般的です。防災対策は、事前の対策が主となり、資産や人命を守るためのルール化を行います。
事業継続計画(BCP)と事業継続力強化計画は、「大規模な災害時などに会社を守る目的のもの」という点は同一ですが、事業継続力強化計画は法律で定められているため、要件を満たせば国から認定を受けられるという点が大きな違いです。
そのため、事業継続力強化計画は策定方法や記入項目などが国によって定められているので、決められた手順で策定していくこととなります。
一方BCPは認定制度がなく決められた形式もないことから、自由に柔軟に策定することができます。
事業継続力強化計画を策定することで、緊急事態が発生した際に被害を最小限に抑えられるというメリットに加え、平常時でも適宜業務の見直しを行うことで、業務の効率化を図れるというメリットもあります。
また、事業継続力強化計画は、国から策定を推奨されているものであり、策定をして申請をすることで認定を受けることができます。認定を受けることができた場合、「補助金の優先採択」など、企業側にもメリットがあります。
中小企業においても推奨されている事業継続計画(BCP)についてさまざまな企業事例を公開していますが、作成方法やフォーマットが統一されていないことなどが理由で作成が困難だと考える企業もあります。そこで、BCPの策定が困難な場合は、BCPの簡易版とも言われる事業継続力強化計画の作成をおすすめします。
大規模な災害が増えている昨今、自社の安全性を高めて顧客からの信頼を得るために、まずは事業継続力強化計画から作成してみてはいかがでしょうか。
災害対策の初動に差をつけると注目をあつめているのが、企業向けの災害情報システムです。各地で起こっている災害や事故情報を報道より先に受け取ることで、「現場で今、なにが起こってるのか」「次にすべきことはなにか」を把握できるため、防災はもちろん、事業継続(BCP)対策の観点から注目を集めています。